小屋つきの庭。生活のためだけではなく楽しむ場としての庭の存在。家での時間を重視するデンマークの暮らし方は、同じように夏が短い北海道の暮らしにも参考になるものでした。

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デンマーク流 楽しい週末の暮らし方@上野ファームを聞いて(前半)。

上野ファームNAYAカフェでのイェンセンさんのトークショー
小屋つきの庭。生活のためだけではなく楽しむ場としての庭の存在。家での時間を重視するデンマークの暮らし方は、同じように夏が短い北海道の暮らしにも参考になるものでした。

庭がある!庭に小屋まである!というのはお金持ちの話かと思いましたが、家族での外食もお友達とのランチもほとんどを家食で済ませてしまうといった生活スタイルにヒントがあると感じました。

毎日を楽しむための庭と小屋。自分流に屋内を作り上げる大切さ。

2015年8月23日(日)に行われたNPO日本コロニヘーヴ協会を設立したイェンス・イェンセンさんによる「デンマーク流 楽しい週末の暮らし方」トークイベントに行ってきました。イベント会場は上野ファームのNAYAカフェ。上野ファームも観てきました。

夏が短いデンマークの住まいに対する考え方は、屋内重視・屋内は自己表現の場。

8月11日付のライナーで「~小屋つき家庭菜園『コロニーヘーヴ』~デンマーク流 楽しい週末の暮らし方」と紹介されていたトークショー。

会場である上野ファームのNAYAカフェにはビッシリ椅子が置かれていました。定員70名でキャンセル待ちもでていたそうです。席はほとんど埋まりキャンセル率の少なさからも関心の高さがうかがえました。参加者の年齢的にはリタイア組と私たちぐらいの方とが中心だった気がします。

イェンセンさんは日本にきて13年。以前勤めていた東京のデンマーク大使館で北欧などのモダンチェアの研究家である織田憲嗣さんにお世話になったことがあり、また国際バラとガーデニングショウでも上野砂由紀さんと縁があるなどしたのがきっかけで旭川の上野ファームでトークショーをすることになったそうです。

織田コレクション

私たちはアパート暮らしだったこともあり、庭や野外で何かをする習慣のない暮らしをしてきました。でも北海道に来て夫の両親の畑にある小屋に夫婦で宿泊したこともあり、小屋と畑の過ごし方のヒントをもらえればと思ってお話を聞きにいきました。

デンマークのご実家とデンマークの住まい

イェンセンさんのお話の前半は、デンマークの実家や住まいのお話でした。

実家はもともと学校だった建物を両親が購入しお父さんがリノベーションしたお家。二本の煙突と白い木枠の木と煉瓦の壁の建物に、前庭は緑の芝生。裏にはリノベーションで余った木材で立てたという子供たちのチャイルドハウスがあるそうです。

お家と庭と周囲の景観にまとまりがあって素敵だと思いました。イェンセンさんによるとデンマークでは景観を守るために建物の高さや外壁の色が制限されているそうです。日本の景観が良くなくてがっかりしたそうです。私も日本の景観は落ち着かないので苦手です。

※制限がない屋内は各自が自分の好みに造りあげていく。屋内重視。

デンマークの住宅は中古物件。高さや外壁の色に制限も。

ちなみにデンマークは新築で家を買うことがほとんどないそうです。中古物件が主。地震など自然災害の関係もあり日本は新築願望が高いですよね。イェンセンさんは家屋の資産価値は20なん年でなくなってしまうのだから新築で家を建てるのはもったいないと話されていました(※木造や木造モルタルの場合)。

イェンセンさんの現在の鎌倉の自宅は5~6年前に購入した木造の中古物件を4~5年かけてセルフリノベーションしたものだそうです。

デンマークの窓は壁の上半分に大きく。窓際はディスプレイに最適。

デンマークの住宅の窓は、大きくて、太陽光を取り入れやすくしているそうです。日本も、最近は小さな窓の住宅も多いですが、窓は比較的大きめですよね。日本とデンマークの窓の違いは位置で、デンマークでは壁の上半分にあるそうです。壁の下半分ぐらいは壁。

ガラスは透明。光を多く取り入れたいので磨りガラス(すりがらす)も使わないそうです。日本だと道路や隣家からの目線が気になるので外から見えにくいガラスやカーテンを設置することが多いですがそれも残念なことだね、と。

ちなみに、イェンセンさんの実家の窓際は壁がぶ厚いため奥行きがあり、ちょっとしたディスプレイスペースになっているとのこと。ハロウィン、クリスマスなどの時期にはそれぞれの飾りが並び、プチ模様替えのメインスペースとして活用しているそうです。

断熱性のが高い北海道の家も窓際に同じようなスペースがありそうなものですが、私の住んでいる古い平屋は二重窓なのでナシ。あっ!外側の窓ガラスをペアガラスにリフォームした部屋にはあります。奥行15センチほどのスペースが。昨年のクリスマスの時にそこに飾りを置きたいねと話していたのでした。

照明は小さな灯りを必要な場所ごとに置く。天井照明は使わない。

明かりの使い方もデンマークと日本では違うとのこと。デンマークでは小さい灯りを照らしたいところに置くそうです。部屋全体を照らすスタイルの日本の天井照明は明るすぎると話されていました。

ああ、間接照明ね、と思いがちですが、”小さな灯り”は間接照明とは違うそうです。

間接照明【かんせつしょうめい】
光源の光を天井や壁に当て,反射光によって間接的に照明する方式

引用:間接照明(カンセツショウメイ)とは – コトバンク

”小さな灯り”は照らしたいものを直接照らすので間接照明ではない。たとえばダイニングテーブルの真上、ベッドサイドテーブルの上などのライトが例だそうです。

小さな灯りと間接照明の違いは意識したことがありませんでした。海外ドラマのような暗めの部屋の照明は間接照明だと思っていたので、”照らしたいところごとに使う小さな灯り”のお話は勉強になりました。