春は出産シーズン。3月下旬から4月ごろに生まれたキタキツネの子供たち。5月下旬には毛の色が灰色からキツネ色に変わっていた。
成長した子ぎつねたちは、母狐を恋しがりつつ、少しずつ遠くのものにも関心を示し遊びの範囲を巣から遠くに広げていく。
花が生き物に見えたんだ
母ぎつねの乳を吸っては、草原に散って遊ぶ子ぎつねたち。
この子ぎつねは1本のチューリップが少しだけ気になった様子。チューリップが傾いているので子ぎつねが偶然に茎を踏んだんよう。そして子ぎつねは、自分が踏んだときに動いたチューリップの花が気になったのだ。
子ぎつねはチューリップの花を数回観察し、期待したものと違ったのか、あっさり立ち去ってしまった。
もっと花と遊んでよー。私は撮影者としてそんなことを思った。
撮影は4年前
私がこの写真を撮影したのは4年前。
友達が自分たちがキタキツネ親子を撮影する場所に誘ってくれたのだ。
友達らと私は、傾き始めた陽ざしの中で、バラバラに移動してそれぞれの構図を探り撮影した。「いい場所に移動したねー!」と掛け合った声や夕陽の中を移動する友達の姿を昨日のことのように思いだす。楽しかった思い出。
(撮影:北海道 空知地方、2017年5月)